怒りの底にある孤独

 消えた。消えたわもう。さいあくやわほんと。どうしてくれるん思うわ。耳ほじったらペットショップの匂いするってうちのミセスに報告したら叫ばれたやつ漫画に描いてもう後書き出すだけっていうとこまで来たんに。まあ予期せぬ終了。終了よ。まあなんでか保存してなかった自分を恨めとも思うけど。

 クリスマスの本場ってのはそれこそ皆がまるで日本でいうところの正月のような気合の入れよう。言うてもう国的にはクリスマスの本場ってのはフィンランドなんかグリーンランドなんかようわからん。やけどそういう本場をもうちょい広い意味でみたときには自分の住んどるここも本場な気がします。年に一番のお祝いですし。

 こっちにはクリスマスショッピングと呼ばれる、クリスマスギフトを大量に買い漁るという文化がある。クリスマス前には「クリスマスショッピング終わった?」なあんていう会話をたくさん耳にする。

 そんで昨日そのクリスマスショッピングをしてきてん。休日なんもあってレジに並ぶ列もめっちゃ長い。やっとのことでレジへの列の最後尾にたどり着いたと思って並び始めてん。そしたら数秒後に遅れて来た爺さんが自分の前に割り込んで来たから「あの。すいません。ぼく並んでるんですけど」と言ったのが運の尽き。「クソ野郎」「この野郎」その後もどうたらこうたらわんわんわんと。それはもう凄い勢いで罵倒された。もう瞬間的に思ったもん。ああ。これもう関わったらあかんタイプの人や。とりあえず謝ろう。って。

 んでよく見たらもう半分浮浪者じゃないかという身なり。なあんでこの人はわざわざこの皆が楽しいクリスマスシーズンに罵倒せざるを得んかったんやろか。やっぱそんな怒らんくていいことやもん普通。でもそこで彼は怒るっていう方法しか取れんかった。彼の人生が彼をそうさせてしまったんやろうかと思った。彼もやっぱし赤ちゃんやったときがあって、彼の笑顔に皆が喜んどったときもあったんやと思う。でもなんでなん。なんで人間てこんなふうになってしまうんやろ。

 クリスマスではだれもが幸せに満ち溢れとる。ただ、そこで忘れたらいかんのが光が強くなればそのぶん影もまた濃く強くなるってことやと思う。この浮浪者みたいな爺さんがこうやったんも、もしかしたら賑やかな周囲への反抗って意味もどこかにあるんかもしれん。クリスマスはただここにあるんじゃなく。実はいろんなものの上に成り立っとる。こうして普通を迎えられることに感謝せないかん。

 そんなことを、なぜか生理用品を二つ握りしめながらぼくの前に立つ、その浮浪者の爺さんを見て思った。いったいなんに使うんやそれ。なんねん。めっちゃ気になるわ。と思った。