きょうのできごと

ともだちになってください

インヴィジラインと歯医者

 今日も雨でした。もう言うまでもありませんので言う必要がないような気がして来ました。晴れた際にでも言うのが正しいのかもしれません。

 首の痛みはやや収まって来たように思います。ジャケットをあまり来ていなかったことで痛みが収まってきたところをみると、やはりジャケットの重さに首が負けてしまったからのようです。

 本日は歯医者に行きました。私は歯医者が好きです。なぜ好きになったかを紐解くと、それはこどもの頃に矯正をしていたとき、毎月のように歯医者に行っていたことがきっかけでした。歯医者に通う中、私はあることに気づいたのです。目と口内は半内臓であるということに。半内臓であるがゆえに傷つきやすく敏感なのです。ですので、その部分を触られることは同時に痛みが伴う可能性が高く、神経を集中せざるを得ません。それも、とっても小さな体の部位に神経を集中してしまいます。真っ暗闇の中、痛みが訪れるかもしれない不安と恐怖の感覚が、歯医者さんの器具が動く場所を追うようにして口内で移動します。そしてそのとき、私は無駄なことをまったく思うことなく、この宇宙のある一点だけを感じています。それはまさに瞑想であり、過去未来に動くことない自分が、ただ今、自分の口内にのみ存在している瞬間です。

 そんなふうにして歯医者に行くのが好きになった私は、過去にしていた矯正を90%の完成度で止めてしまった。というのも、矯正というのは針金を取って終わりではなく、歯が動かないようマウスピースのようなものを口に入れておく必要がありますが、当時の私はそれを怠ったのです。そのため、下の歯が一本だけ少しだけ前に出ており、それが年々前へと押しやられていました。

 そのとき、こちらカナダで通っている歯医者さんに、ちょうどインビジラインなるものを勧められたのです。インビジラインというのは針金を使わない矯正のことで、透明のマウスピースのようなものを使用します。一年かからないくらいの期間で、およそ30個ほどのインビジラインを入れ替えながら歯を揃えていきます。このインビジライン矯正は、傍目からはまったくとして矯正をしているように思われません。インビジラインをしているということを人にわかってもらうため、歯を出して「ほら。これ」と言って人に見せた際に「え、なに言ってんの。なんなの。歯じゃん」「お前何歯見せてんだよ」といったふうな対応をされたことが何度もあるくらいにわかりにくいものです。

 矯正をした人であれば分かると思いますが、歯が動く小さな痛みは、前向きな方向性を持つ心地よい痛みです。今日、16番目のインビジラインに付け替えましたが、私の口内では今歯たちが動いている心地よい痛みがあります。