きょうのできごと

ともだちになってください

遠ざかる雪と洗剤

 雨が雪を打ちのめす今週、寒さは引き潮のように遠ざかっていく。

 いったん変わった雨が次に雪に変わるのはいつなんだろう。雪から雨に変わったのは温度と言われる暖かさを示す指標が、零度という物質の状態変化が起こる境界を超えたということだ。なんだか、私たちはいつのまにかさまざまなものごとを数値化しているように思う。それはとっても便利なのだけど、同時にいったいそれがなぜその数値であるかということを私たちから遠ざけ、この世界をよりわかりやすく均一にしてしまう。温度なんて尺度を知らないほうが、私たちは私たちの身体を含めた自然をもっと身近に、体感をもって知れるのかもしれないとたまに思う。

 太陽からの距離が少しだけ遠い、この季節における雪と雨の境界線。今の私の浅はかな知識じゃ、それをつかさどるものがいったい何なのかなんてわかりようがない。もしかしたらそれは私が冷凍庫を開けて、これから何を作って食べようかなと考えている時間に関係しているかもしれないし、はたまた私が昼間の太陽の下、ジャンプをしたことでほんの少しだけ太陽から地球が遠くなってしまったからとも考えられる。もしそうだとしたら、私と逆側にいる人たちのジャンプの回数が足りないんだけど、地球温暖化を考えるなら、私たちは太陽が自分たちの真上にあるときに跳べるだけ跳んで、地球を少しだけ太陽から遠ざけるべきだと思う。

 このまま雨が降り続いて春が来るんだとしたら素直に喜べない。私の中でまだ冬が足りない。冬将軍にはがんばってほしい。自分で言っておいてあれだけど、よくよく考えると、なんだよ将軍って、と思う。今調べてみたけど、厳しい冬の様子を擬人化した様なんだって。もう絶対、冬将軍は冬だけに鍋の季節ってこともあって鍋奉行だと思うし、そんな人とあんまし鍋を囲みたくないし、なんか冬が急にむさ暑苦しくなってくるようだし、冬なのに矛盾しまくりで、もうかんべんしてって思う。

 台所の食器用洗剤がなくなった。