やる気がない

　近頃、本当にやる気がない。とは言ったものの、そもそもやる気などというなにかは本当に存在しているのかとも思う。仮に我々が思うやる気というものが実は何かしらの気のせいであって、実はそのようなものはないとしたらどうだろうか。また、そもそもやる気がないと思ったとして、私は今こうして息を吸って歩いたり立ったりしていることから考えると、すべてにおいてやる気がないということではないことは明確だ。何か特定の、これまでやる気のようなものがあってうまくできていたことが、今はどうにもこうにもできていないというだけなのだと思う。

　では、そのこれまでうまくできていたことというのは何なのだろうか。近頃はちょっとでも難しいことを考えるのも億劫に思う。そのため、このような問いの答えについてもあまり気が進まない。しかし、せっかくこうして文章を書いているのだから、ここまでの文章量という少し前の私の努力に報いるためにも、少しだけ答えを考えてみることにする。

　と、まあ。はい。ということで考えてみた。私は、たぶん自信がなくなったのだと思う。考えてみて真っ先に思ったことはこのようなことだった。はっきり言って、本当に自分が少し前まで自信があったかどうかなんてことはわからない。けれど、これまで動けていたのは、恐れに負けないように立ち向かえていたのは、何かそういった自分に対しての信頼があり、自分には価値があるのだと思えていたからにちがいない。

　具体的に言うなら大きな将来の目標につなげるための転職活動と勉強、それらにまつわるすべてが、今どうでもいいように思えてならない。少し前までもこんなふうに普段の生活に疲れてしまうことはあった。けれど、そんなときはたいてい仕事か人間関係にちょっとした理由があって、それが通り過ぎればすぐに前を向く勇気やそれにやる気が付随するように湧いてきたものだった。